【士業向け】WordPressを利用したホームページを安全に運用するためのセキュリティ対策|F-standard BLOG

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【士業向け】WordPressを利用したホームページを安全に運用するためのセキュリティ対策

現在、中小企業にとってホームページは欠かせない営業の要です。
しかし便利な反面、セキュリティ対策を怠れば、サイバー攻撃といった深刻なトラブルに見舞われるリスクも抱えています。

特に士業の方々にとっては、顧客との信頼が業務の土台となるため、ホームページの安全管理は極めて重要です。
「難しそう」「費用が心配」と後回しにしていると、取り返しのつかない事態に繋がる恐れもあります。

サイバー攻撃は、事前の対策で多くを防げます。今こそ、安全な運用を意識した取り組みが求められています。

士業のWordPressサイトは狙われやすい?

士業サイトは、専門性が高く信頼が重視されるため、一般的に情報の正確性が求められます。
士業だからといって特別に狙われやすいというわけではありませんが、更新頻度が低く放置されがちなホームページや、見た目が古く見えるホームページは、攻撃者の標的になるケースがございます。

セキュリティ対策の基本チェックポイント

WordPressのセキュリティは、「基本の積み重ね」が何よりも重要です。
以下のような項目を定期的に確認するだけでも、被害リスクを大幅に減らすことが可能です。

  • WordPress本体とプラグインを常に最新の状態に保つ
  • 不要なプラグインやテーマを削除する
  • パスワードを定期的に変更し、複雑なものを使用する
  • ログインURLの変更とログイン試行回数制限を行う
  • バックアップを定期的に実施する
  • セキュリティプラグインを導入する

これらは基本中の基本ですが、意外と実施されていないことも少なくありません。特に、バックアップの取り忘れは致命的なリスクに直結します。
セキュリティは一度設定して終わりではなく、継続的な運用と管理が不可欠です。

【事例紹介】実際に起きた士業関連のサイバー攻撃

実際に、士業のサイトが標的となった被害事例がございます。

とくに最近では、WordPressを狙ったサイバー攻撃が中小規模の事務所でも頻発しています。ここでは、実際に発生した代表的な事件をもとに、攻撃の経緯や被害の実態を解説します。

髙野総合会計事務所のランサムウェア被害の詳細

2023年、髙野総合会計事務所がランサムウェアによる被害を受けたことが報道されました。
この事件は、士業事務所が直接的なサイバー攻撃の標的となった珍しいケースであり、同業者にとっても大きな警鐘となりました。

攻撃の経緯と原因|設定ミスと不正アクセス

原因は、外部からのアクセス制限が適切に行われていなかったことでした。

また、社内で使用されていた共有フォルダが無防備な状態で開放されており、攻撃者はそこからシステムへ侵入。結果的にランサムウェアが仕込まれ、業務データを完全にロックされてしまいました。

このように、日常業務の中での「ちょっとした油断」が、大きな被害へとつながるのです。

漏洩した可能性のある情報とその影響

事務所が取り扱っていたのは、クライアントの会計データや個人情報、顧問先企業との契約関連情報でした。

その一部が攻撃者によって持ち去られた可能性があり、顧客への説明対応や再発防止策の策定に追われる事態となりました。信頼を重んじる士業にとって、情報漏洩は何よりも大きな損失です。

その他の中小企業への攻撃事例(IPAまとめ)

情報処理推進機構(IPA)がまとめたレポートによると、士業に限らず中小企業全体でサイバー攻撃の被害が急増しています。

とくにWordPressを使用したサイトが多い業種では、その傾向が顕著です。

サイバー攻撃の増加傾向とその背景

コロナ禍以降、業務のデジタル化が急速に進んだことで、中小企業も多くのシステムをインターネットに依存するようになりました。

これにより、攻撃者はセキュリティ対策が甘い中小企業を「狙いやすい標的」として捉えるようになっています。士業も例外ではありません。

特に多い攻撃の手口とは

IPAによると、最も多いのは「パスワード総当たり攻撃(ブルートフォース)」と「フィッシング詐欺」「脆弱なプラグインの悪用」です。

いずれも、WordPressサイトに特有の弱点を突いた攻撃手法であり、基本的な対策をしていれば防げるものばかりです。逆に言えば、それだけ基本対策が見落とされている現実があります。

士業が実践すべきWordPressセキュリティ対策

サイバー攻撃のリスクを最小限に抑えるには、日々の運用におけるセキュリティ意識が重要です。

特に士業サイトでは、顧客からの信頼が業務の根幹を支えるため、ホームページのセキュリティ対策は「業務の一環」として捉える必要があります。ここでは実践すべき具体的な対策について解説します。

サイト管理における基本対策(アップデート・バックアップなど)

WordPressやプラグインのアップデートの頻度はかなり高く、月に数回行われることも珍しく有りません。WordPress本体や使用しているプラグイン、テーマのアップデートは「常に実施する」ことが必要です。

なぜなら、脆弱性が発見されると、その情報は世界中の攻撃者に共有され、放置されたサイトは瞬時に標的になるからです。また、定期的なバックアップも忘れてはいけません。トラブルが起きた際、すぐに復元できる体制を整えておくことで、被害の拡大を防げます。

管理画面の保護|ログインURL変更・2段階認証の導入

WordPressのデフォルトログインURL「wp-login.php」は、攻撃者にとって最も狙いやすい入口です。

このURLを変更するだけでも、無差別なログイン試行攻撃の多くを防げます。また、2段階認証を導入することで、仮にIDとパスワードが漏洩しても不正ログインを防ぐことが可能です。

士業のような信頼が重要な職種では、標準装備と言っても過言ではありません。

専門家に依頼すべきタイミングとその選び方

全てを自力で行うのは現実的ではないこともあります。

次のような状況にあてはまる場合は、迷わず専門家への依頼を検討しましょう。

  • サイトが不正アクセスを受けた形跡がある
  • セキュリティ対策をしているか分からない
  • 複数のプラグインや設定が絡んで管理が煩雑になっている
  • 顧客データを扱う業務が増えてきた

士業サイトのセキュリティに精通しているITコンサルタントやWordPress専門の業者に相談することで、最小限のコストで最大限の防御力を得ることが可能です。

「費用がもったいない」と感じる方もいるかもしれませんが、一度攻撃を受けた後の損失額と比較すれば、予防にかけるコストの方がはるかに安価です。選定の際は、過去の実績やサポート体制を必ず確認しましょう。

まとめ|士業としてWordPressを安全に使い続けるために

士業にとって、ホームページは単なる情報発信の場ではなく、「信頼の象徴」となる大切な資産です。

その資産がサイバー攻撃によって損なわれてしまえば、築いてきた顧客との関係や業務の信用に甚大な影響を及ぼします。WordPressを利用するなら、その利便性の裏にあるリスクと正しく向き合う必要があります。

WordPress本体やプラグインの更新を怠らず、セキュリティプラグインの導入やバックアップの習慣化といった基本的な対策から始めましょう。そして、管理画面の保護や2段階認証の導入など、攻撃の入口をふさぐ工夫を取り入れることで、セキュリティレベルを一段階引き上げられます。

ITに詳しくない事務所でも、ポイントを押さえて実行するだけで大きな防御力を得ることができます。万が一のトラブルに備えて、信頼できる専門家のサポート体制を整えるのもひとつの手段です。

信頼を守りながら、安心してWordPressを運用するために、今日から一つずつ対策を始めていきましょう。あなたのサイトと顧客の安心のために、セキュリティ対策は今すぐ行動に移すべき課題だと感じます。

この記事を書いたスタッフ

林 恭平

担当:営業/ディレクション/経理/Webプログラミング/バックエンド/セキュリティ/サーバ保守

F-standard代表取締役。
元財務コンサルタントで財務系アプリ開発者。税理士の父を持つ。そのため「数字のために生まれてきた漢♪」と呼ばれている。また、顧客のことを親身になって考える若手経営者。
会社も9期目に入り、少数精鋭のメンバーが揃ったので、行くぜ!!と気合が入っている。

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